■桃神祭2015インタビュー INDEX

百田夏菜子佐々木彩夏玉井詩織有安杏果高城れに

■夏が一番何も考えずにバカになれる!

──ももクロ恒例の夏のライブ「桃神祭」が近づいてきました。

はい!夏のライブは好きですね。夏が一番気楽にバカ騒ぎが出来る!夏が一番何も考えずにバカになれる!一年の中で一番ももクロがももクロらしく何も考えずにバカ騒ぎができるのが夏のライブだと思います。

──今回は静岡のエコパスタジアムが会場です。

なんかいいですよね!自然があふれる感じで。静岡にはよく行くんです。映画の撮影も静岡だったし、(百田)夏菜子の家にもよく行くし。だから静岡にはとても馴染んでいるというか、勝手に自分のふるさとみたいに思ってるところもちょっとある(笑)。夏菜子の家を第二の家だと思っているように、自分のふるさとでもあるような気がするの。

──その馴染みのある静岡でライブをやるということについてはどういう気持ちですか?

やっぱりリーダーが生まれ育った街ですから、メンバーの中にその街の出身者がいるっていうだけで雰囲気も意気込みも違います。あと、夏の一大イベントを関東以外の場所でやるということがこれまでは無かったことなので、それはまた新しい試みだと思いますね。夏祭りってちょっと遠くにでも出かけるっていうイメージがあるじゃないですか。だから静岡以外の皆さんはそういうふうに夏祭り感覚でちょっと出かけてきて、夏祭りと夏の旅行気分を味わってもらえればなあって思います。静岡の皆さんは地元の祭りだと思って楽しんでもらえると嬉しいですね。

──玉井さんにとっての静岡の魅力って何ですか?

静岡は自然があふれてる!東京からそんなに遠いわけじゃないのに「なんだこれは!」って思うような自然がたくさんあふれています。あとはおいしい食べ物がいっぱいある印象がありますね。それと私にとっては静岡に行くのは夏が多いから、夏のイメージがある街です。夏菜子の家に遊びに行ったりするのも夏。だから、夏に静岡っていうと「帰って来たなあ」っていう感じがするんです。

■ももクロを長く続けることに向かって今を生きている

──先ほど「ももクロらしく」という言葉が出ましたが、玉井さんは「ももクロらしさ」ってどんなものだと思っていますか?

それは、人それぞれだと思うんです。最初のうちは、ももクロらしさ=元気ではっちゃけていっぱい動いて……みたいな、そういうイメージがあったと思うんですけど、でもそれだけじゃないというか。「5TH DIMENSION」の頃から、色々なことをやってみて気がついたのは「ももクロらしさは変わるものだ」ということなんです。そのときにその人に感じてもらえたももクロのイメージがももクロらしさなんじゃないかと。だから、逆にももクロらしさとは何かということを決めるということが違うんじゃないかなと思っています。

──確かに、玉井さんは以前のインタビューでもそうおっしゃってましたね。では玉井さんにとって今のももクロはどんなももクロだと思っていますか?

今はなんだろう……みんなが高校を卒業して、でも卒業したからといって変に大人ぶらず、かといって今までの子どもらしい感じは全然残ったままで。20歳になったメンバーも増えて来て、ちょっとずつ前とは違うことも出来るようになってきたと思います。例えば今回みたいな衣装での撮影だって、これまであまりなかったでしょ?(笑)こういう大人っぽい格好をして撮影したりすることをこれまではやって来ずに今やるからこそ逆に新しさが出るのかなと思う。それこそももクロらしさみたいなものが皆さんの中に受け入れてもらえるようになってきたからこそ、新鮮に感じてもらえるようになってきたんじゃないかなと思います。

──「前とは違うことも出来るようになってきた」という点では、ライブの面でも以前よりも出来ることが増えてきたという感覚はありますか?

ライブの面で言うと、会場が大きくなっている分、いろんなところに移動する曲が増えてくるんです。昔は(振付の石川)ゆみ先生も私たちに振りを細かく付けないと不安だったと思うし、私たち自身も出来ることのレパートリーもバリエーションもそんなに無いので、振りをつけてもらうことが当たり前だった。それが最近は「自分のパートは好きにやっていいよ」と言われるようになったり、昔よりも移動する曲が増えたりするようになって、そうするとお客さんの近くに行けることがもっと増えるんです。だからといってもちろん踊りをおろそかにするわけじゃなくて、踊りについては今年は「月刊TAKAHASHI」というZeppでのライブを毎月することでパキッと見せてると思うし、今はそういうバランスがいい感じで取れているんじゃないかなって思っています。

──踊りとかステージでのいろんな見せ方も自分なりに考えて出来るようになったと。

昔より不安は少なくなっている気がしています。「自分たちで考えてやってみよう」とみんながするようになった。

──去年の桃神祭以降、この1年で皆さんは映画の撮影をしたり舞台をやったりとこれまでとは違う活動もしてきたと思います。それによって変わって来たことはありますか?

うーん。自分たちではよくわからないんですよね。でも、例えば映画の撮影が終わって久しぶりに踊るぞというときにゆみ先生が「みんな、表情が全然違う」って言ってくれたことはありました。他の人にも表現や表情が違うと言われることが多くなってきて。それは自分たちが意識していたわけではなくて、いろんなことを経験させてもらったからこそ自然と身に付いたものなのかなって。

──無意識に出ていると思う?

どうだろう……でも、考えるようになりました。やっぱり無意識にやっているわけではなくて、映画や舞台という自分で考えなければ進まないという現場を経験したからこそ、自然と歌に対する意気込みや踊りに対する表現だったりとかを自分たちなりに考えるようになったと思います。

──いろいろなことを自分たちなりに考えるようになってきたところで、「これからももクロはどうなっていきたいか」というような今後の話をメンバー間ですることはありますか?

そういうことはあまり話さないですね。みんな、今を生きてるっていう感じがする。今までは未来に向かって生きてきたのが、国立競技場でのライブとか、いろいろな夢を叶えてきたからこそ、今は「今を生きる」ということに視点を置いている感じがします。LAに行ったときも「国立競技場でのライブを終えて、次の目標は何ですか?」と聞かれることが多かったんですけど、でも今の私たちは「次の目標はここでライブをします」という形ではなくて「女性グループとしてあり続ける」ということを目標に掲げているから。だから、女性グループとしてももクロを長く続けることに向かって今を生きている感じかなって思います。

■これからもずっと一緒にいる

──今回の桃神祭は静岡での開催ということで、百田さんにとっては凱旋ライブということになりますね。

そうですね。地元があるっていいなあと思います。私もふるさとが欲しい(笑)。ふるさとがあるということがうらやましいし、だからこそ盛り上げたいって思います。

──玉井さんは百田さんと出会ってから、もう10年ぐらい経つわけですよね。玉井さんにとって百田さんって……

だから、私が夏菜子の話をするのなんてもう今さら感があると思うの!(笑) もう家族化してるっていうか、夏菜子は私を弟みたいに扱ってるし(笑)。なんか、「お父さんってどういう人ですか?」って聞かれてるみたいな感じがする!(笑)

──まあまあ、そうおっしゃらずに(笑)。この10年で玉井さんから見て百田さんが変化しているなあと感じることはありますか?

えー、わかんない(笑)。そうだなあ……例えば、結成当初の頃だったら、夏菜子は今回みたいに自分がフィーチャーされるようなライブは嫌だって思ってたと思うけど、リーダーとしての立場とか静岡出身ということとか、いろんな状況を理解した上でやりたいって思うようになったと思う。それは夏菜子だけじゃなく、メンバーそれぞれがちゃんと「お客さんに一番楽しんでもらえることは何か」ということを自分で考えられるようになったからだと思うんです。あとは、たぶん、最近はメンバーにもハッキリと自分の気持ちを伝えられるようになったんじゃないかな。やっぱりあの人は例えば「これが嫌だ」ということを伝えることすらも遠慮するような人だったんです。でもそういうことが無くなったかなって最近思う。たぶん本人は別に意識しているつもりは無いと思いますけどね。

──どうしてそうなったと思いますか?

なんででしょうね。これからもずっと一緒にいるって思っちゃったんじゃない?夏菜子の気持ちだから私にはわからないけど(笑)。

■最大の夏祭りを静岡に

──では最後に、今回の桃神祭の観どころを教えてください。

やっぱり、静岡での、生まれ育った場所でのリーダーを観たいと思いませんか?(笑)リーダーの地元で、しかもエコパスタジアムにみんなが集まってバカ騒ぎする最初のライブが今回の桃神祭です。来てくれる人たちには、絶対、帰り道には寂しい気持ちにさせてあげます(笑)。お祭りから帰る寂しさを味わわせてあげますよ(笑)。それぐらい、最大の夏祭りを静岡に持っていきますから、皆さん、ぜひ来てください!お待ちしてます!

取材・文 / 富樫奈緒子 撮影 / 塚田亮平

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