「桃神祭2015」インタビュー、ラストを飾るのは高城さんです。このインタビューを行った数日後に高城さんはライブリハーサル中に転倒してしまい、病院で診察を受けた結果、左手・橈骨遠位端骨折で全治4か月と診断されました。
このインタビューの最後で、改めて高城さんに現在の思いを語ってもらいました。そちらも合わせてご覧いただき、桃神祭に向けての高城さんの思いを感じていただければと思います。

■桃神祭2015インタビュー INDEX

百田夏菜子佐々木彩夏玉井詩織有安杏果高城れに

■これがないと夏が始まらない

──今年も夏のライブ、桃神祭が間近に迫ってきました。

またやって来たこの季節!夏っていうだけでわくわくするのに、さらにライブだなんて、余計わくわくするでしょう!私がモノノフさんで観る側だったとしたら、たぶんこの日のためにいろんなことを頑張れると思う。そのぐらい楽しいお祭りで、私にとってはこれがないと夏が始まらないし、そもそも夏っていう感じがしないんです。桃神祭、一番好きかも。

──そのぐらい高城さんにとって桃神祭は楽しいイベントなわけですね。

うん。それは、ただ単に私が夏が好きだからっていうこともあるけど、野外っていうだけでもテンションが上がるじゃないですか。太陽を浴びると人間って元気になるし、特に桃神祭はバカなことをたくさんするし、どんちゃん騒ぎだし!

──高城さんはもともとお祭りが大好きですもんね。

そう。お祭り大好きで、うちは「お祭り一家」だから家族で毎年いろんなお祭りに駆けつけるんです。そのぐらい好きだから、もうお祭りっていうワードだけでわくわくする!

──そんなお祭り大好きな高城さんから見て、桃神祭はどんなお祭りですか?

桃神祭は本当におすすめできるお祭りです!私、リハーサルの段階からすでにすごいわくわくしてるもん!本番前、まだお客さんが入る前に炎天下の下で「暑い!暑い!」って言いながら汗だくでリハをするところからもうすごく楽しい。そして、「この壁の外で、今頃モノノフさんたちはどんな気分でいるんだろう?」とか、「外のお店で何を買って楽しんでるんだろう?」とか、「みんな、どういう格好で来るのかなあ?」って想像するんです。本当に桃神祭はリハーサルの時点からもうお祭りなの!

■ポジティブしかない

──今年の桃神祭はどんなライブになりそうですか?

「この曲を桃神祭でやるんだ!?」みたいな驚きを感じてもらいたいなと思います。「お祭り」ということにプラスして「カッコいい」というところがすごくあると思う。今年は、去年とはまた別のカッコよさがプラスされてるんじゃないかなと思っています。

──去年よりも見せ方の部分で広がりが出て来ている?

そうですね。あと、すごく入り込みやすくて、詰め込まれてるというか、すごく濃いライブだと思う。いつもの夏のライブだったら「夏だー!」って盛り上がって、終わったあと何日間か心にぽっかり穴があいちゃったみたいな感覚になるんですけど、今回はたぶんそういう感覚ではなくて、がっつり出し切ってしまうことで完結する。

──えっ、終わっちゃうんですか!?

終わるというより一区切り出来る感じ。例えば桃神祭の一日目は7月の一番最後の日じゃないですか。だから7月はこの桃神祭を味わうことでスッキリと完結できるし、2日目の8月1日は一ヶ月の始まりだから、スッキリとして「よし、これで8月が始まったぞ!」というような、終わりと始まりの区切りがちゃんと出来ると思うんです。この桃神祭からまた夏が始まっていくんだと思う。そこから始まる夏がどんな夏になるのかは会場でモノノフさんと騒いで決める!って感じ!ここで今年の夏が決まると思うし、みんなにとってどんな7月だったのかもここで決まると思う。「終わり良ければすべて良し」という言葉もあれば「始まりが肝心」という言葉もあるじゃないですか。2日間を終えたら、そのどちらも習得できると思う。今年の桃神祭は、そんな桃神祭です!

──とにかくすごいということですね。

うん。ポジティブしかないと思います。直感でもそう思う。

■ファンの人たちと交流してきたからこそ分かること

──終わったあとの気持ちが想像できるということは、自分たちがどんなことをどんなふうに見せたいんだというイメージが明確になってきているのかなと思いました。

私が思うに、それは今年やってきたことの成果なんじゃないのかなって思います。今年はけっこう新しいことを始めて、ファンの人ともたくさん交流しているんです。ファンクラブ限定で「月刊TAKAHASHI」というライブハウスでのライブを毎月やって、月に一回はファンの方と直接交流をしているし、福岡では盛りだくさんな内容のファンクラブイベントをやったり。舞台でも毎日ファンの方と接したし、海外まで行って交流したりとか。そういう交流の積み重ねがあることで改めてファンの方との信頼関係を築けたという感じがある。今この時点で桃神祭を楽しみに待っている気持ちもモノノフさんと一緒だと思うし……うまく言葉にすることは難しいけど、でも緊張感とわくわく感と、もうすぐだっていうような、そういういろんな気持ちをしっかりと共有できていると思うんです。今までたくさん交流してきたからこそそれを感じられる。だからこそ、ライブの後にはこういう気持ちになるんじゃないかなというイメージもこれまで以上に出来るようになってきた感じがあります。

──ももクロは初期の頃からライブやイベントでファンの皆さんと交流してきたと思いますが、これまでとも違う感覚なのでしょうか?

経験も余裕も無かった頃に比べたら、今はいろんなお仕事を経験して、桃神祭での盛り上がり方や自分の中での気持ちの上げ方みたいなものを分かっているからこそ、よりそう思えるようになったんじゃないかなと思います。

──では、メンバー間の意思疎通みたいなものもしっかり出来ている?

それも桃神祭にかかっていると思います。私たちは目指している場所は同じだけど、普段思っていることはそれぞれ違うこともあると思うし。でも桃神祭という大きなイベントがあることでメンバー同士、改めて意識確認をするんです。そこで思いがひとつになる。そういうお祭りでもあるからこそ、私たちにとっても特別なお祭りなんだと思います。

■夏菜子ちゃんは私の推し

──今回の桃神祭は静岡のエコパスタジアムでの開催です。静岡は百田さんの街ですね。

やっぱり自分の地元でライブをやるというのはすごい貴重なことだと思います。自分がこういう活動をしてますよ、ここまで成長しましたよ、ということを地元の人に観てほしいと思うし。夏菜子ちゃんは今でも静岡から東京に通うぐらい静岡を大事にしてるし、それだけ静岡に対する愛情があるわけだから、そこで自分のライブを観てもらえるというのはやっぱり夏菜子ちゃんにとっては特別なことだと思う。だから、「頑張って!」ってすごく思うし、自分たちも頑張らなきゃって思います。私は静岡県民じゃないけど、せっかくだから盛大にみんなでリーダーに「おかえり!」って言いたい。やっぱり夏菜子ちゃんは私の推しですから。全力で盛り上げたいと思っています。

──高城さんから見る百田さんはどういう人ですか?

人間らしい人。人間味がある人。普通に生活していても、すごく周りを気にしてくれるし、すごくみんなのことを見てる。リーダーって、いろんな重大なことをまかせられることも多いし、第三者が思っているよりもずっと羽を伸ばしづらい環境にいると思うんです。そんな環境の中にいても、夏菜子ちゃんはすごく周りを気にしていて、例えば私がいっぱいいっぱいになってたりするときも夏菜子ちゃんは必ず声をかけてくれたり分かってくれる。だからといって周りのことだけを気にし過ぎているというわけでもなくて、夏菜子ちゃん自身も、「今、落ち込んでるんだろうな」ということも「今、楽しいんだろうな」ということもすごく分かりやすい人。それがすごく人間らしいなって思うし、とにかく人の気持ちが分かる人だと思う。だからこそ親近感が湧くし何でも話せる。なんか、頼りやすいっていうのかな。

■来ないと損するよ!

──では最後に、桃神祭に来てくださる皆さんに一言、お願いします。

静岡近辺の方はもちろん、ちょっと遠いところに住んでいる皆さんも、遠いところから来るからこそ楽しめると思います。そして、すごい時間をかけて来たとしても、それを気にさせないぐらいのライブに必ずします!来ないと損するよ!って言えるぐらい(笑)。お祭りに行って、しっかりそこで浄化されて、気持ちよく帰っていくという感覚が味わえますから。皆さん、楽しみにしていてください!


■やっぱりポジティブしかない

──さて、インタビューの日から数日経ちました。

皆さん、ご心配をおかけしてしまって本当に申し訳ないです。

──桃神祭のリハーサルも続いていますが、今はどんな気持ちですか?

ケガをしてしまったことで、もちろん悔しい気持ちはあるけど、でも改めて踊れることのすごさを感じているし、これまで気付かなかったことが見えたりいろんな音が聴けると思うから、そういうことをむしろ楽しんでいきたいって思っています。悔しい気持ちに勝るぐらい、楽しみたい。自分の中でこの機会を大事にして、今、感じたことや思ったことを今後忘れないようにしようって思います。

──ケガをしたことで初めて感じたことがある?

そうですね。こうなったことで分かることがたくさんあると思います。だからこんなふうに壁にブチ当たったりすることがあっても、そのときの気持ちを忘れなければいいんだって素直に思う。例えば、なかなか動けない分、歌詞や音楽と改めてしっかりと向き合っているんです。いろんな曲の歌詞に改めてジーンとしたり、バンドの皆さんの音もこれまで以上にしっかり聴いて泣けてきたり。そういうことを感じることは、もっとお客さんにいろんな感情を伝えられるチャンスじゃないかなと思っています。

──ファンの皆さんのSNSなどでのコメントを見ていると、高城さんがどれだけ悔しいと思っているか、その気持ちをみんながすごく分かっているんだなと感じました。

はい、本当にありがたいって思いました。その気持ちを分かってくれているからこそ「無理をしてほしくない」っていうこともみんなが書いてくれていて……。みんなのコメント、ちゃんと見ています。でもね、私はやりたいから。そしてこれまでやってきたことで、私はモノノフさんがこの桃神祭を楽しんでくれるって信じられるんですよ。

──ファンの皆さんとの信頼関係があるからこそそう思えるということですよね。

うん。そして私は楽しんでいるみんなを観て、もっと「超楽しい!」っていう気持ちを感じたいし、そう感じられるっていう自信があるんです。だから、頑張れる!やっぱり今も「桃神祭にはポジティブしかない」って思います。

──では、改めて「桃神祭2015」を前に、ファンの皆さんに一言お願いします。

大きいスタジアムでのライブですけど、でもお客さんの近くに行って1人ひとりをしっかりと見ながら歌ってパワーをあげたいし、私もみんなのパワーをしっかりと受け取りたいって思っています。そういうパワー交換も出来たらいいなと思うので、皆さん、桃神祭を楽しみましょう!よろしくお願いします!

取材・文 / 富樫奈緒子 撮影 / 塚田亮平

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